お風呂に入る=全身浴だけ?
今日は疲れているからお風呂に入るのがキツい……そう考えてしまう時にほとんどの人が思い浮かべているのって、全身浴ですよね。
バスタブいっぱいにお湯をためて、肩までゆっくりと浸かる入浴方法が全身浴。一番メジャーな入浴法ですが、体力がない人には負担が大きく、入浴するだけで疲れてしまうというデメリットもあります。なんだかお風呂が億劫だ……と思う人は、その疲れを知らず知らずのうちに体が覚えてしまっているのかもしれません。
もちろん全身浴には、多くのメリットがあります。全身を一気にリフレッシュできる、効率よく血行を促進できる、などが大きなメリット。けれど心臓に負担をかける、体力を使うなどのデメリットが気になる日には、違う入浴法を取り入れてみるのも一つの手です。
全身浴以外の入浴方法
それでは、全身浴以外の入浴法にはどんなものがあるでしょうか?
半身浴
みぞおち(胸より下、胃の周辺)くらいまでのお湯に浸かるのが半身浴。心臓に負担をかけにくいので気軽に長い時間お湯に浸かっていられて、体がゆっくり芯から温まります。お風呂から上がっても発汗作用が続くので、新陳代謝にも効果的。
「ダイエットで半身浴をしても出るのは水分だけ」という説がありますが、発汗とともに老廃物を排出すること、新陳代謝の高い体を作ることを目的とするなら、綺麗になるために理にかなった方法です。
半身浴の注意点は、お湯を熱くしすぎないことと脱水症状に気をつけることです。38度くらいのお湯に20~30分を目安に浸かり、浴室にペットボトルなどを持ち込んで水分補給をしながら入浴するようにしましょう。水を口に含むことで、より発汗が活発になります。
座浴
全身浴と半身浴以外の入浴法は「部分浴」と呼ばれます。部分浴では浴槽を使ってもいいですし、大きな洗面器でもできます。お湯の量が少なくてすむ点がメリット。半身浴より少ないお湯で行う部分浴には、まず座浴があります。
座浴のやり方は20センチほどのお湯をためて、腰を浸からせるだけです。時間は5〜10分。特に下半身のトラブルに効くとされていて、生理不順、便秘、膀胱炎、痔などの不快感をやわらげて症状を緩和してくれます。
ひじ浴
浴槽を使えない、服を脱げないような時にも気軽にできる部分浴がひじ浴です。ひじ浴では、両肘をお湯に5〜10分浸けるだけ。ここちよく感じるお湯の温度を工夫しましょう。上半身の血行がよくなるので、腕のだるさや肩こり解消に効果があります。
手湯
手浴、ハンドバスとも呼ばれる手湯。洗面器などにちょうどいいと感じる温度のお湯を入れ、両手を手首まで10分ほど浸けます。手荒れや乾燥、手首や腕の疲れに効果があり、肩こり解消も期待できます。より疲れを取りたいなら、手の平のツボ押しを同時にしてみましょう。お風呂に入れない時の気分転換や、急に寒さを感じた時にもおすすめです。
足湯
足浴、フットバスとも呼ばれる足湯。足つぼマッサージのお店などで、施術前に使うこともあります。ふくらはぎの下までを10分ほど、40度くらいのお湯に浸けます。
足にはたくさんのツボが密集しているので、足を温めれば全身の血行をよくすることができます。冷え性、足の疲れ、むくみ解消に効果があります。
入浴剤を活用してみよう
ただお湯に浸かるだけではなく、入浴剤を溶かしたお湯を使うことで更にリフレッシュでき、芳香浴として鼻からも効能を取り入れることができます。
アロマを使ったバスタイム
好きな香りのエッセンシャルオイル(精油)を数滴お湯に垂らせば、即席アロマバスのできあがり。オイルによって効能が違い、密閉された浴室で鼻と肌から効率よく香りと効能を体に取り入れることができます。昔から、ゆず湯や菖蒲湯などもありますよね。植物とお湯は、とても相性が良いんです。
ゆったり香りを楽しむためにも、時間をかけて入浴する半身浴や部分浴におすすめ。香りが足りないと思ったら追加で垂らせば、いつだってリフレッシュできます。ただ濃すぎると肌への刺激が強くなるので、全身浴でもバスタブに合計10滴以上は入れないようにしてください。部分浴の場合は1~2滴で十分です。またオイルはお湯に溶けないので、よくかき混ぜてから入浴しましょう。
バスソルト
バスソルトとは、お風呂に入れるために塩とハーブなどを配合したもの。古来からヨーロッパではお風呂に塩を入れる習慣があり、その美容効果が日本でも話題になってきました。良質なミネラル分を肌から吸収することができ、保湿効果が高いのでスキンケア目的に使ってみましょう。塩は肌に吸着する作用があり、毛穴の老廃物がかき出され、代わりに皮脂が分泌されるため保湿されるんです。
また体温の低下を防ぐ、代謝をアップしてくれる、発汗を促して老廃物の排出が活発になるなどの美容効果も高いものです。
けれど塩だと少し刺激を感じてしまう敏感肌の人もいるので、あなたに合っているかどうかを見極めることが重要です。そしてバスソルトを入れたお湯は目や口に入らないようにする、洗髪や洗顔には使えないなど注意点もあります。
バスミルク
バスソルトでの塩の代わりに、ミルクを主成分にした入浴剤がバスミルクです。ミルク成分が肌の角質まで浸透するとされ、より刺激が少ない形で肌を保湿してくれます。発汗作用の活発化より保湿を重要視するなら、バスミルクがぴったりです。乾燥肌の人やバスソルトが苦手な敏感肌の人、乾燥しがちな冬場の入浴に。全身に行き渡ることで肌が潤うので、全身浴におすすめです。
一言で「お風呂に入る」と言っても、色々な入浴法や入浴剤があるんです。その時の体調や気分に合わせて変えてみて、素敵なバスタイムを過ごしてくださいね!