口呼吸と鼻呼吸はどちらがいいの?
普段の生活であなたは、口呼吸をしていますか?それとも鼻呼吸ですか?
私たちがいつも意識せずに行っている呼吸は、平均で1分間に20回程度。1日の呼吸の量は、体重50kgの人で約20kgにもなるんです。
人間は1日にどれくらいの空気をすうの? | ダイキン工業株式会社
これだけの回数と量のある呼吸、無意識ではもったいないというもの。少しでも美容に役立てるには、どういう呼吸をすればいいのでしょうか?
呼吸には口でする口呼吸と、鼻でする鼻呼吸があります。ところが口呼吸にはほとんどデメリットしかなく、鼻呼吸にはメリットばかりなんです。
詳しく見ていきましょう。
口呼吸のデメリット
口呼吸のデメリットは、なんといっても口の中が乾燥してしまうこと。口の中が乾燥すると、口臭の原因になります。喉や舌の粘膜も乾いてしまうので、風邪をひいたり味覚障害を引き起こす可能性も。
そして口呼吸をしていると、口を開けている状態が長く続きます。そうすると口の周りの筋肉が衰えて、豊かな表情を作れなくなってしまいます。
更に寝ている時に口呼吸をしていると、睡眠時無呼吸症候群になりやすいと言われています。また、重力で舌が下がって気道をふさぐことで振動や音が発生し、いびきをかきやすくなります。
- 口の中が乾燥して、口臭の原因になる
- 口周りの筋肉が衰える
- いびきをかきやすくなる
鼻呼吸のメリット
鼻の特徴の1つに、鼻毛があることが挙げられます。鼻から出ていたりすると美容面では大きくマイナスですが、呼吸の面では「ウイルスや雑菌の侵入を防ぐ」という大きな役割を担っている鼻毛。つまり口呼吸よりも鼻呼吸の方が、風邪をひきにくくなるんです。
鼻毛があることから分かるように、もともと鼻は呼吸をするための器官。だから口呼吸より酸素をたくさん取り入れられるようになっていて、深い呼吸をすることができます。深い呼吸にはリラックス効果があって、心拍数を高めずに自然と腹式呼吸を行うことに。
そして鼻呼吸なら舌の位置が正常なまま眠れるので、いびきをかきにくくなります。いびきをかかない方が睡眠の質が上がるため、深く眠れるようになるんです。
- 風邪をひきにくくなる
- 呼吸が深くなり、リラックス効果がある
- いびきをかきにくくなり、睡眠の質が上がる
この他にも、口呼吸のデメリットである口臭や筋肉の衰えを防ぐことができます。これだけ違いがあると、美容面からも健康面からも鼻呼吸をしたくなりますね!
今まで気をつけていなかった人の中には、気づかないうちに口呼吸が癖になっている人もいるかもしれません。人によっては、鼻が詰まっていて鼻呼吸では苦しいことがあるかも……。
鼻呼吸をするためには、まずは口を閉じる意識を持つことから。事前に鼻詰まりや鼻炎を治療しておくこと、マスクや口呼吸を防止するテープを使って口を閉じておくことなどが有効です。
腹式呼吸は美容にいい!
呼吸をどこでするか、については口呼吸と鼻呼吸の違いがありました。では、呼吸の仕方についてはどうでしょうか?
呼吸の仕方には、胸式呼吸と腹式呼吸があります。それぞれの特徴を知っておきましょう。
胸式呼吸って?
息を吸うと肋骨が膨らむ、胸を使った呼吸法。体が緊張して、浅い呼吸になってしまっている状態です。
不安やストレスを感じている時や、パソコンやスマホを長く使っている人、特に女性は加齢によって胸式呼吸になってしまうことが多く、体や脳が酸素不足になる原因でもあります。
慢性的に胸式呼吸をしていると、食後に頭がボーっとしたり、昼間に眠くなったりという酸素不足の症状が出ます。また肩こりや冷え、血行不良やイライラなどの原因にも。美容と健康には決して良いといえない状態です。
腹式呼吸って?
息と同時に横隔膜を上げ下げし、お腹をふくらませる呼吸法。深く息をするので、体をリラックスさせながらたくさんの酸素を取り入れることができます。
横隔膜が動く時に周囲の内臓が刺激されて、体を内側からマッサージする効果も。お腹を動かすことで便秘が解消され、内臓の血液量が増えて代謝が良くなり、むくみを取ることができるとされています。
呼吸を味方につけて綺麗になるなら、腹式呼吸をすることが最初の一歩だと言えるでしょう。
運動中の呼吸はどうする?
鼻呼吸にはリラックス効果がある、とお伝えしましたね。だから運動中も、例えばヨガやストレッチなどゆっくり筋肉を伸ばす動きが多い場合は、鼻呼吸を行いましょう。
鼻呼吸で腹式呼吸をすることで、副交感神経が刺激されて心身がほぐれ、体をよりリラックスさせることができます。瞑想にも、鼻呼吸が向いています。
反対に、口呼吸では交感神経が刺激されます。これは、効率よく心拍数を高めることができるということ。口呼吸によって心拍数をコントロールすることを「サイキングアップ」と呼び、試合前などに適度な興奮状態を作るのに適しています。
マラソンなど負荷の高い運動をする時には、大量の空気を吸ったり吐いたりする必要があるので、口呼吸の方が楽に感じる人もいます。
リラックスを目的とした運動以外なら、呼吸の方法はこだわらなくてかまいません。けれど深い呼吸をするために、特に運動中は必ず腹式呼吸を心がけるようにしましょう。
吸う時は鼻で、吐く時は口で呼吸すれば、運動初心者でも上手に腹式呼吸をすることができますよ!