ストレートネックになっていませんか?
人間の頭は、個人差はありますが5~8キロもの重さがあります。なんとこれは、大玉スイカと同じくらいの重さ。こんなに重い頭を支えてくれているのが、首です。首は頭の重さを吸収するために、頚椎(けいつい)と呼ばれる骨が自然な歪曲をしています。重さを受け止めつつ力を逃す歪曲があるから、頭を支えることができているんです。
けれど、この自然な首の歪曲がなくなってしまうことがあります。それが「ストレートネック」と呼ばれる症状です。ストレートネックは病気ではありませんが、色々と不快な症状が出るとして整体やカイロプラティックの分野で注目されています。
正常な頚椎の歪曲は30~40度前後ですが、ストレートネックの人が病院でレントゲンを撮ると、首の骨がまっすぐになっている画像が撮れます。
どうして、頚椎の歪曲がまっすぐになってしまうんでしょうか?
原因はスマホ依存?
2010年以降、ストレートネックの症状を訴える人がとても多くなってきたと言われています。どうして近年急に増えてきたのでしょうか?その理由には、スマホの普及があると考えられます。
朝から晩までスマホから目を離せない、休憩中にスマホ画面を熟読してしまう、などの行動が自分で抑えられないことを、スマホ依存と言います。心当たりはありませんか?
こうやって長時間スマホを見ていることも問題ですが、その時の姿勢が悪いことでストレートネックになってしまうんです。
またストレートネックは、PC画面を凝視する仕事をしている人にも起こっています。そして首や肩の筋肉量の関係で、男性よりも女性の方がストレートネックになりやすいとされています。
ストレートネックになると出る症状
ストレートネックとは、首から自然な歪曲が消えて頚椎(けいつい)が前傾し真っ直ぐになった状態のこと。そうすると首の骨で頭の重さを支えることができず、首や肩に負担がかかってしまって痛みが出ます。
見た目では、あごが前に出て見える、猫背になってしまうなど決して綺麗には見えません。痛みがあるので、自然な動きをすることも難しくなります。
ストレートネックになったときの体の症状としては、
- 首を動かすと違和感がある、痛む
- 肩こりや首こりを感じる
- 頭痛が起こる
- 手や腕が痛む、しびれる
- めまいがして、ひどい時は吐き気を感じる
などがあげられます。心当たりがある人はいませんか?理由の分からないこれらの症状は、もしかしたらストレートネックが原因かもしれません。
日常生活で
- スマホ・PC・タブレットを仕事や趣味で使うなど、使用時間が長い
- すでに首こり・肩こりを感じていて、動かすと痛みがある
- 枕がない方が寝やすいと感じる
- 気がつくと猫背になって、あごが前に出た体勢になっている
- 座りっぱなしでいることが多く、運動する習慣がない
などに当てはまる人は、要注意です。
ストレートネックを改善するには?
ストレートネックはスマホを使う人なら誰にでも起きうる症状ですが、いいことは何もありません。少しでも習慣を変えて、ストレートネックの予防と改善に取り組むことが大切です。ひどい痛みが出ていなければ、日々の習慣を変えることで改善が期待できます。
スマホ時間を減らす
一番重要なのは、スマホを見る時間そのものを減らすこと。スマホを見る姿勢は、どうしても下を向きがちですよね。前傾姿勢では頚椎のカーブが反対に曲げられている状態になり、続けているとストレートネックを引き起こします。
スマホ以外でできることはスマホを使わないようにする、なんとなくスマホをチェックする時間を減らすなど、意識的に行っていきましょう。
スマホを見る姿勢を変える
それでも趣味や仕事でどうしてもスマホを見たい……見ないと不便を感じる……そういう場合には、スマホを見るときの姿勢を変えましょう。猫背であごを前に出して下を向いている姿勢は、見た目も美しくありません。美しく見える正しい姿勢は、
- 椅子に深く腰掛ける
- 骨盤を立て、背もたれに背中を預ける
- 足を床につけた状態で、太ももと床が並行になるように椅子の高さを調節する(足台を置いても可)
- 肘の角度は95~110度前後、目線がまっすぐになる場所にスマホを構える
です。
猫背になっていないかチェックするポイントは、横から見たときに耳と肩のラインがまっすぐに引けること、あごが前に出ていないこと。またスマホを高く構えることで、目線が下がって前傾姿勢になることを防ぎます。スマホやタブレットを膝に置いて眺める……なんてことは絶対にやめましょう。
また、30分以上は同じ姿勢で作業をしないことも大切です。適度に休憩を入れながらスマホやPCに向かいましょう。
ストレートネックを予防するためには?
ストレートネックの予防には、姿勢の改善が第一です。姿勢を改善しても痛みがひどい場合には、カイロプラティックや整形外科医に相談してみてくださいね。
では、他にできることはあるでしょうか?
首と肩のストレッチ
運動をしないことで首や肩のこわばりを招いて、スマホを見ていないときでも緊張した体勢を取ってしまいがちに。できれば一日に数十分のウォーキングなどを取り入れたいところですが、時間がなくて毎日は難しい……という人は、首と肩のストレッチをやってみてください。ストレートネックの予防には、ストレッチが一番即効性があります。
首と肩を全方向に伸ばすことが、ストレッチのポイント。痛くない範囲で気持ちいいと感じる程度に、ぐるぐると回してみましょう。
スマホ依存をなくす
スマホはとても便利なものですが、使っている間は他の情報が目に入りにくくなります。人と一緒にいるのに会話がない、電車に乗っているのに風景を楽しもうとしないなど、あなたの感性を鈍らせることにつながりかねません。
もしかして使いすぎているかも?と思いながらもやめられない人は、スマホ依存に陥っている可能性があります。他の楽しみを見つけて、スマホとは適度な距離を保つようにしましょう。一日に1時間からでも、スマホを手放す時間を作ってみてくださいね。